津南とともに 大阪屋商店 トップページ > 米つくり生産者の会 段丘会 > 新聞に掲載されました!

17年産新潟コシヒカリの出荷販売も、魚沼産のみがすこぶる好調だ。価格的にも他産地が羨むほどの位置に君臨する。だが現地では決して、そこに安住しているわけではない。コメ集荷販売会社・(株)大阪屋商店(桑原健次社長、中魚沼郡津南町中深見乙1803)も、生産者グループ「段丘会」を組織し、土づくりの徹底による上質な魚沼コシヒカリの生産・出荷に取り組んでいる。
新潟・魚沼地方の南西部に位置する津南町は、南に苗場山系を控えている地勢から、日本でも有数の豪雪地帯だ。この冬の積雪量が最大で4メートルを越えたことでも知られる。この雪が山間部の土壌に染み込み、夏場でも枯れない豊富な水源となる。水質も確かで、町内にある湧水池「龍ヶ窪」は日本名水百選に認定されている。
他方で、町を縦断する信濃川沿いには、日本一の河岸段丘地形が広がる。河岸段丘は、河川が長い歳月をかけて土壌を侵食し、侵食面が階段状に隆起したもの。「30万年」とも言われる歳月を経て形成された景観は、雄大で圧巻だ。大阪屋商店が組織する「段丘会」も地方の地形にちなんだものだ。
段丘会は、土づくりを通して、地元魚沼津南コシヒカリの高品質化・差別化を目指す生産者組織だ。一昨年に発足して、現在の会員は25人。栽培基準に基づく資材を共通して活用するだけでなく、夏場は会員の圃場を巡回して生育状況を確認し合う活動も行う。良質米生産に向けた会員の意識が高まるよう、圃場には看板も設置している。
肥料設計は、濃縮堆肥「パフミン」をベースに、改良剤、調節肥(ハイグリーン等)や穂肥(アミノ肥料)などを、圃場条件に応じて施用する。
パフミンは製紙工場や食品工場の汚泥を発酵させたもの。栄養腐植が豊富に含まれているため、土壌中に有効な微生物を増やす効果がある。これにより、土が団粒化するだけでなく、不溶性のリン酸・石灰・苦土や微量要素を溶かして地力を高める。会員はこの効果を「肥料で土を耕す」と表現する。
作業性にも配慮し、一般の堆肥で必要となる量を5分の1に濃縮。完熟の発酵肥料のため、施用は収穫後でも、春の耕起前でも良い。段丘会では1袋20キロ詰めを、10アール当たり5袋施用することを基本にしている。パフミンに限れば、すでに10年以上施用し続けている会員もあり、慣行栽培圃場との地力差は明らかだ。
もちろん、病害虫・除草向け農薬の使用も極力抑えているため、特別栽培もクリアしたコメ作りになる。同社ではこのコメを「段丘の華」と命名。18年産では、町内25ヘクタールで栽培に取り組んでいる。
段丘会が栽培した魚沼コシは、多くは首都圏に玄米出荷され、卸を通じて量販店にも並ぶ。昨年は、消費者ニーズを学ぶ目的で、千葉・東京を中心に37店舗を展開する(株)ワイズマート(本社・浦安市)の店舗売場も視察した。
玄米袋には差別化と栽培保証の観点から、会のシールも添付。白米は、河岸段丘の景観写真を刷り込んだ米袋で販売している。
豪雪の関係で、津南の18年産田植えは例年より10日ほど遅れ、5月20日すぎがピークとなったものの、生育は順調に経過している。桑原社長は、「民間主体の生産調整が始まる19年度からは、産地としての生き残りがさらに本格化する。会のコメが消費地に真っ先に選んでもらえるよう、品質向上に努めていきたい」と話している。